うちの子は自閉スペクトラム

自閉スペクトラム症の長男のこと、きょうだいや家族のことを記録しています

卒園。初めてお友達を招く春休み。

あきが卒園しました。

 

卒園式数日前の懇談会から、雰囲気に呑まれたのもあるけれど恥ずかしいくらい涙を堪えられませんでした。笑 こんなこと言ったら怒られそうですが子供の卒園くらいでこんなに心動かされるとは思いませんでした。

 

あきが発達障害であることを園は知っていても保護者のみなさんは知らなくて、それでも変な子だなと思われてるんだろうな、お友達も作らない子で親もぼっちでなんだか浮いてるような…?と

今思えば気にし過ぎ、誰もそんなことあからさまに言うことはなく、本当にいいママさんたちに恵まれてたんですけど

小心者なのでずっとそう思っていて幼稚園からも保護者からも、知らず知らずのうちに距離をとってた3年間でした。

 

下の子のお友達とは家を行き来する機会も多かったですが、あきは3年間で一度も、幼稚園のお友達を家に呼ぶ、呼ばれる、ということがありませんでした。(公園は何回かありました。おうちはハードル高かった)

 

そんなあきが、卒園前にお友達と家で遊ぶ約束をしていて、春休みにそれが叶いました。

お互いにおうちを行き来して、親同士も気を張らずにお付き合いできる感じで、今更ですが幼稚園であきにお友達ができたことがうれしいです。

 

やり取りにぎこちなさがないとは言えないけれど、昔みたいにずっと親がヒヤヒヤしてフォローしなきゃってことはなくなりました。

記憶力とトラウマ

去年の秋に運動会で踊った曲がTVで流れたので

「懐かしい〜覚えてる?」

と言ったところ

「覚えてるよ。あれはたしか去年の9月25日だったな」(実際にこういう口調です。アスペルガーあるある?)

 

「え。そうなの?」

スマホのカレンダーを遡って見ると本当でした。

 

そこまではまぁ去年のことよく覚えてるね、という感じですが、ちょっと異常だと思うのは

 

「おととしの運動会は、たしか9月29日だったな」

 

とサラッと思い出して言うところです。

 

行事に限らず1、2年前の出来事を、日付けと紐付けて記憶してます。

 

カレンダーの他によく覚えるものは文字、地理、ジャンル問わず図鑑。

 

無駄に使用されている脳の容量、記憶するものを取捨選択すれば、他の部分がもう少しちゃんと働くのではと思うほどです。

 

 

まわりのASDの子たちを見ても、記憶力凸の子は多いです。

見ていて多いと思うのが、やっぱり文字系(漢字や外国語)。

英単語のスペルを見るだけでどんどん覚えることができるという羨ましい子もいました。写真のように覚えてるのかな。

 

 

でも記憶力がいいということは、嫌な記憶もいつまでも忘れられず鮮明に覚えているということで

あきの場合も、たとえば一度あきが怖いと思った映像などはトラウマで二度と見ることができません。(ちなみに一般的な怖いものとはズレていて、どう見ても普通のものが多いです)

 

数年前あきの目の前でカラスが飛び立って以来、鳥が怖くて道にいると進めなくなります。

これは通学時どうしようかと本気で悩んでいます。

 

あきはとにかく何事も最初が肝心。

最初に悪い記憶が入ってしまうと塗り替えられない…。

 

なのでまずは失敗させないようにと結構過保護なのかもしれません。あとが大変なので…

年齢的には少し手を離すべきとは思いつつ。

療育卒業

幼稚園よりひと足先に、療育(2カ所)を卒業しました。

 

長年勤めている先生の、最初に受け持った子たちはもう社会人だそうで。

 

当然ながらいろんな子がいて

 

ここまで順調だったのに、のちのち小さなことで躓いた子。

 

すごく大変だったのに、驚くほど成長して社会に適応する子。

 

あきはどうなるんだろうか。

 

 

ここに通ってたこと

きっと十年後、二十年後、ふと懐かしく思い出すのだろうと思いました。

 

 

なにかあったらすぐに連絡して。

一緒に考えますから。と。

そう言ってもらえる場所があるだけでどんなに心強いか。

 

入学を前に、子より親のほうが不安に苛まれているのだけど味方を得た気持ちです。

ABA

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うちではこんなのが良かった(かもしれない)というシリーズです。

発達障害は同じ診断名でも十人十色なので

ASDにはこれがいい!というわけではなく。

あくまであきに良かったかもしれないという体験談です。

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あきが年少の頃、つ○きの会に入ったりとABAにハマっていました。

 

とはいえ下の子もいる自宅で「厳密に」やるのは大変で、

かといって先生に来てもらうのはお金がかかり過ぎるし…ということで

もうすっかり離れてしまったのですが…

 

でも、〈ABA的なアプローチ〉は

どこの療育でも何かしら取り入れている、もしくは共通してるんだな、と思うことが多くて

自閉スペクトラムの子への対応方法としては知っておいて良かったなと思います。

 

たとえばですが

「立ってください」と言われたら立つように教えたいとき。

 

「立ってください」

→立たない

→(抱えて、促して、など)とにかく立たせる(プロンプト)

→ご褒美(強化子)

 

これを繰り返すと、プロンプトなしで立てるようになる、というような流れです。

 

このような

・プロンプトで望ましい行動を(半強制的に)実行する

・それを強化する

・例外を作らない(上記でいえば、今日は立たなかった、という経験をさせない、必ず立たせて終わる)

という教え方は、あきが幼い時にはやはり効果的でした。

一斉指示を聞けるようにするため、または日常生活のルールを教えるときなど、参考にしていました。

 

今でも新しい事にチャレンジするときは、必ず最初から望ましいやり方を教えるようにしていて

(遊びのルールやお出かけのルール、タイムスケジュール、勉強の仕方や書き順とかも)

なるべく一度決めたルールは破らせないように気をつけたりしています。

ルールを変える時はわかりやすく説明をします。

 

いったんルールが身についてしまえば、特性的にはルールを守ることが好きなので忠実に守ってくれます。(状況判断や応用力はまた別の問題として…)

 

あとはとにかく〈最初が肝心〉なので

「これは絶対にやってほしくない!」ということは、最初に絶対にさせない!

というのが、親の負担を減らす上では大事だと思っています。

 

なぜかというと、好ましくない行動の「消去」はすごく大変だからです。。

 

たとえば。

一度、お店で癇癪に負けておもちゃを買ったら…

 

癇癪→強化子(おもちゃ)

という間違った学習が起きます。

 

それを「消去」するためには

癇癪を繰り返す子どもに耐えて

決して強化子(おもちゃ)は与えず

子どもが泣き止むまで何時間も

ひたすら我慢比べ。。ということになってしまうのです。

 

なので、やってほしくない行動は〈絶対させない〉というのがポイントになるんですね。

 

特に2〜4歳頃までの聞き分けのない年齢では、この方法で随分と助けられたと感じています。

お遊戯会 年中まで目立ってた子が年長になって。

あき、幼稚園最後のお遊戯会でした。

 

年中までこういう舞台では目立ってました。

もー、恥ずかしいやら悲しいやらで。

 

今でこそ、神経図太くなりましたけど

第一子で、子どもはマニュアル通りに成長すると思いこんでいたし

みんなができることができない姿は、なかなかショッキングでした。

 

年少の頃は、突っ立ってる。

年中の頃は、参加はしてるけどズレてる。

立ち位置も、体の向きも、振り付けも、なんか全部ズレてる。悪目立ち。

途中で舞台袖に逃げたこともありました。

 

本番が近づいてきて練習が本格的になると、普段のメンタルも乱れて、感覚過敏が強くなる。

 

それがあきでした。

 

でも今年は練習段階から、なんか違うかもと思いました。

 

メンタルの波がない。

練習を楽しんでる。

 

ちょっと期待しました。

 

そして本番の日。

 

朝、いつもと違う道を歩いて会場に向かう途中、すてーんと転び、手のひらをちょびっと負傷。(血は出てなくてちょっと擦った程度)

 

あきは大泣き。激怒。

 

そのまま到着して先生に引き取られていくあき。

叫び声が外まで聞こえました。

 

あーもうだめか。と思いました。

 

お通夜みたいな顔で客席に座る私と夫。

 

。。。

でも本当に、今でも嘘みたいだと思うくらい、あきは3つの演目全て、完璧にこなしてきました。

 

こっそり泣きました。

 

お友達とアイコンタクトでタイミングをとりながら、ぴったり声をあわせて台詞を言う。

 

生き生きと舞台で歌い、踊り、表現する。

 

合奏では、自分の役割と責任を理解して楽しむ。

 

できてました。

 

劇の最後のほうで、近くの子がちょっと立ち位置が違ってしまい、あきが一瞬戸惑って足が止まったとき

隣の子が本当にさりげなく、こっちだよ小さく手を動かしてあきを誘導してくれたのを見逃しませんでした。

 

こんなお友達がいてくれることが本当にありがたい。

 

そんなこんなで、年中までぼんやりしてたあきも

そして同じ幼稚園で療育に通ってる子たちも

本当にみんな驚くほど成長していました。

年中から年長の1年間は伸びるというのは本当でした。

 

だからそんなに気に病まなくて大丈夫。

ペースはゆっくりでもちゃんと成長するのです。

公文

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うちではこんなのが良かった(かもしれない)というシリーズです。

発達障害は同じ診断名でも十人十色なので

ASDにはこれがいい!というわけではなく。

あくまであきに良かったかもしれないという体験談です。

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ただ教室が近いという理由で始めましたが、あきにはメリットが大きかったと思います。

 

公文…正直なところ、発達障害であろうと定型発達であろうと、好き嫌いもしくは向き不向きが分かれるとは思います。

 

あきの場合はプリント学習大好きというわけではないけれど、それなりに楽しそうな瞬間もあり続けていけそうな雰囲気だったので

〈負担にならない程度に細々と続ける作戦〉

で2年が経ちました。

 

まず、宿題は当初1日10枚だったのを、早々に1日5枚に減らしてもらいました。

そして教室は週2回ですが、幼稚園で疲れてるときなどは、宿題交換するだけでもok〜にしました。

そして宿題をどうしてもしたくない状態のときは親が手伝うことを先生に許可してもらいました。

 

スランプっぽい時期も続けてこれたのは、上記のようなゆるさがあったからだと思います。

 

現在は宿題タイムが定着して、体力もついてきたので、教室を休んだり宿題をやらないことはほとんどなくなりました。

 

 

算数はとにかく計算ばかりで、それも反復反復!で

楽しくはないかもですが(失礼…でも達成感はあるかもしれない)

単純な計算問題は前頭葉を鍛えるトレーニングになるそうなので

ASDのあきにとって効果的な脳の筋トレになるかもしれない、と思っています。(ASD前頭葉の発達が先天的に阻害されているといいます)

 

 

他にあきにとってメリットになりそうと思ったことは

 

・先取り学習

先取りしておくことで、入学後まずは勉強のことを考えず、環境に慣れることに集中できる。…といいのですが。

 

ソーシャルスキル

週2回短時間でも、小学生に混ざって過ごすことが、良い訓練になっていそうです。

時にはお兄ちゃんたちにちょっかいを出されたり、それを注意する先生がいたり。

課題が終われば先生に提出する、採点を待つ、直すところがあれば再提出…などの一連の動きも訓練になりそうです。

 

・感覚過敏の程度の見極め

教室は基本静かですが、絶えず子どもの質問や先生の声が聞こえていて、人の移動や出入りも頻繁。

その中でどの程度なら集中できるのか?

集中が途切れるのはどんなシチュエーション?

ということを就学前に観察できたこと。

 

・間違える練習ができた

ASDによくある〈間違えることが大嫌い〉なタイプ、あきもまさにそれです。

始めたばかりの頃は、100点じゃなかったら教室で泣いていました。

でもそれも結局「慣れ」で。

今も完璧主義ですが、「あ〜」と言ってちょっと悔しがるくらいで、泣くほど崩れることはなくなりました。

宿題で間違いを発見しても私はスルーしてそのまま提出させ、

先生にミスを指摘される体験、100点じゃなくて悔しい体験をなるべくたくさんできるようにと思ってます。

 

上記のような感じで、あきの弱い面を訓練できる習い事だったなと感じます。

 

 

なつもやりたいと言い出して始めましたが、この子はあきと正反対で〈適当、いい加減〉で、そっちはそっちで頭が痛いです。

 

いつまでやるかは決めてないですが、小学生になってもしばらくは続けると思います。

感覚統合

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うちではこんなのが良かった(かもしれない)というシリーズです。

発達障害は同じ診断名でも十人十色なので

ASDにはこれがいい!というわけではなく。

あくまであきに良かったかもしれないという体験談です。

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ある感覚器官は過敏で刺激を極端に嫌がり

ある感覚器官は鈍麻していて刺激を求める。

 

感覚統合の本にそう書いてあるのを見て、まさしくあきのことだと思ったのが、3歳くらいの頃。

 

視覚が敏感で見たものをすぐに覚え、その一方で光などの刺激を避けたがり

触覚はやや鈍麻していて常に何かに触れたがる。

 

それで、感覚統合の取り組みをしてきました。

 

我が家で参考にしたのは『保育者が知っておきたい 発達が気になる子の感覚統合』という本です。

 

家でできることがたくさんあって、3、4歳くらいの頃やっていたのが

毛布に乗せて大人2人でハンモックみたいに揺らしたり

目隠しをして色々な形のものを触って当てるゲームをしたり

回転椅子で目を回らせたり

タワシなど感触が分かりやすいもので皮膚を押して刺激したり

いもむしみたいにゴロゴロ転がったり(まっすぐ転がるのは意外とむずかしい)

トランポリン、鉄棒は家に設置しました。

 

感覚過敏・鈍麻が、今はほとんど気にならなくなったのは

単純に年齢があがって成長したから、というのが結局1番大きい気がしますがw

でも!感覚統合の取り組みも、脳の調整に少しは役立ったのではないかなと思っています。

 

以前ブログでも書いたのですが、年長になってからはOTの感覚統合にも通って、家にあるものより大きな道具でダイナミックな動きも経験させてもらいました。

あきのような子にとっては、適切な体の動かし方、適切な感覚の掴み方は、やっぱり本人(の脳)が体験しないと分からない、調整できないんだなと。

 

上記の本は、困りごとに応じてどんな取り組みが有効か、わかりやすくまとまっていて、実践しやすい内容だったので、今まで読んだ発達関係の本のなかでも特に良かったなーと思ってます。